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少し間が空いてのシリーズ3作目で、会心の作品になりました。

2作目が少し嫌味が強めで好きになれなかったこのキャラクター、オープニングでの教師役、子どもたちをこっそりスパイ候補生として育てている茶目っ気、そして何よりも時代後れを逆に楽しむゆとりが出てきて、第1作に勝るとも劣らない出来ばえです。

イギリスの基幹システムが次々にハッキングされ、どうなるのかと思っていると、首相(エマ・トンプソン)は、ネットのカリスマ、ヴォルタにお熱。G12までにヴォルタの会社の提携を発表しようと画策。飛んで火に入る夏の虫、実は彼こそが世界中のビッグデータを使って強大な力を握ろうとしているハッカー本人だった、という話。

ジョニーが疑いをかけた船には、謎の美女(オルガ・キュリレンコ)が。初めは彼女が黒幕か、と思わせて実は彼女もヴォルタを探りにきたロシアのスパイ。途中からは休戦協定を結ぶのだけど…。

車椅子のおばあちゃんを蹴るのとか、バスガイドをダブルデッカーの上階から落とすのとかはちょっと眉をひそめてしまうけれど、タイミングよく計算されたオマヌケとスラップスティックは心地よく、1作目につづいて再登板のボフとの関係は相変わらず絶妙。意外にも登場したボフの奥さん、そしてわざとらしくも巧妙に張られた伏線が見事に機能して、お話としてもひねりとテンポの効いた展開になったと思います。

ジョニー意外のシーンでも、エマ・トンプソンがさすがの名優ぶりを発揮。危機管理能力ゼロの首相を風刺たっぷりに演じてくれて、ジョニー一人に頼らない構成が成功の秘密かなと思いました。オルガ・キュリレンコも、真剣みを匂わせながら、ジョニーのようなキャラクターを憎みきれない愛嬌を感じさせ、ダニエル・クレイグと共演した007シリーズとは違った魅力を感じさせました。