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前回の容赦なく殺しまくった非常な作戦は、主人公が部外者としていたから、余計に凄味が際立って見えたわけですが、続編になって、その辺の要素は不要と判断されたのか、娘の誘拐とその返還の道中もの、という色彩になったので、ちょっと人情味が加味されましたね。

誘拐される16歳の少女を事情の変更で抹殺せよ、という命令に変わったところで、このアメリカのオペレーションの非情さ、そして今までマシーンのように任務を遂行してきたマットとアレハンドロの間に葛藤が生まれる。

その途中に聾の家族を挟んで、実はアレハンドロの死んだ娘も聾だった、というエピソードを入れるなど、心に響くエピソードもあったりしました。

密入国を手助けするバイトのチンピラが、たまたま見かけたアレハンドロを次に発見するのは、ちょっと偶然すぎるかな、とか思いましたけどね。

イサベル・レイエスが実はこの映画の主人公なんだろうな、と思いながら見ていました。学校では麻薬王の娘ということでちょっと甘やかされて野性児で、でもいざ自分が誘拐されるとものすごくおびえて、その中でただ一人、自分を人間として扱って守ってくれるアレハンドロのいろんな側面を見るにつれて次第に人として成長していくという。

アレハンドロが撃たれて、これで一巻の終わりか、と思わせてまさかの復活、そしてラストシーン。Sicario暗殺者の物語はこれからも紡がれていく、ということなんでしょうね。

アレハンドロがベニチオ・デル・トロなのに、次第に「ノー・カントリー」のハビエル・バルデムに見えてきた作品でした。