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途中まではサイコキラーを追いかける刑事ものかと思ってたのですが、ある時点をすぎるとSF特撮ものになってました、という感じ。

アンソニー・ホプキンスが製作総指揮に入っているのに、エンドクレジットで気づいたのですが、まさに彼を主人公にしたスーパーヒーローものに仕上がっていて、そういう見方をすればこうなったのは頷けるかなと思います。他のジョーやキャサリンの主観で物事を見ていくと、ちょっと置いてかれる不満が残ると思います。

完璧な手口で首の後ろを一突きで仕留める連続殺人犯。全く手がかりが掴めずに、引退していた超能力捜査官ジョンを現場復帰させると、事件はさらに混迷を究め、捜査班は犯人に誘導されるかのように次々と新しい殺人に遭遇する。

相手はどうも捜査の手口を完璧に読んでいるらしい。しかも被害者はいずれも、致死性の病気などを患っていたことがあとからわかると。悲劇を予防するために慈悲の心で殺してやったのだ、と主張し始める犯人。

この辺の未来予知がどのくらいできるのか、もう神様並みで、最初はジョンの能力もテレビシリーズ「ミレニアム」のテレメトリー的なものかと思っていたら、どんどん独立した未来予知に発展していって、無数の可能性のある未来を映像化していくともう「マトリックス」と同じような超能力の世界に行ってしまって、ちょっと馬鹿馬鹿しいぐらいに見えてしまいました。

物語の序盤から予知された、キャサリンの死を防げるのか、が最終的には注目の的になるわけですが、どういうわけか、それは防げた。ここのあたりの細工が犯人チャールズの目論見どおりなのか、あるいは違うのか、ハッキリ描いていないのですが、ラストシーンで、ジョンの「最初の殺人」を描くことで、実はこれこそがチャールズの壮大な計画の一つだったのでは、と思わせて終わり。

最後の最後に複雑な味わいを残して終わるパターンでした。

ジョーの死の床にあっての「いろいろと経験を得た時には時間切れ」という言葉が一番心に残ったような気がします。

どうも企画自体は当初はブラッド・ピットの出世作「セブン」の続編として開発されたようですが、後に単発作品として打ち出されたみたいです。

ジョー役のジェフリー・ディーン・モーガンとコリン・ファレルってちょっと似た顔だちで、後半になって急にコリン・ファレルが出てきてもピンとこないのが悩み。キャサリン役のアビー・コーニッシュは「ジオストーム」でちょっと目立った役をやったことぐらいしか印象にありませんでした。