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透明人間のお話をお決まりのパターンでなぞった形なので、その意味ではベタです。バーホーヴェンなので、そこに無駄なエロが加わるという感じです。

ケヴィン・ベーコンが、いい人キャラを脱して、エゴ全開の天才博士として透明人間プロジェクトをリードしている、透明化には成功したけど、可視化することには失敗していて、ゴリラでやっと成功、次のステップは、というところで自らを実験体にして行う、という筋書き。

今回の場合は、7人のプロジェクトチームがいる、というのが現代風な味付けで、見えなくなったあとの実験とかが大事なんでしょうね。データをとるという意味では。

可視化に復元ができなくて、イライラしているのか、あるいは元々の性格か、あるいは投与された薬に性格を狂暴化する要素があるのか、わからない形で描かれていますが、透明になった、という自由が、最後の人間の常識の歯止めを壊してしまう、というとらえ方もできるかもしれません。

博士がおかしくなってきた、ということがわかった時点で、チーム全体がもっと慎重になるべきだし、いつ立ち聞きされているかわからない、という状況でのリスク管理が全くできていないのにイライラしますね。あと、住環境もあるでしょうが、窓を開けっぱなしとか、カーテンを引かずに服を脱ぐとか、モラルもプライバシーもいい加減な町だなぁ、と思いながら見ていました。

そんな中で、一番の売りは、透明化、可視化のプロセスが順を追って見られることで、「どうせCG」とは思うし、血清を打ったからって、そんなにみるみる変わるわけないじゃん、とか思うし、骨はどのタイミングで変わるんだよ、とか突っ込みどころはたくさんありますが、頑張ってやっているんで。

キャストは、全体にちょっと地味で、飛び出してくるキャラクターもちょっと少なめでしたか。ジョシュ・ブローリンも努力家だけど才能はあまりない、という平凡キャラで売っているので、最後に急に反撃しだすのが場違いな感じがしてしまいました。プロジェクトを指揮しているクレイマー博士を演じているウィリアム・ディヴェインは「24」でオードリーのお父さんの外交官役をやっていましたね。途中で無駄におっぱいを見せるキム・ディケンズは、一瞬モリー・リングウォルドかな、と思うくらい似てました。

ちなみに、この作品が2000年、続編が2006年に、クリスチャン・スレイター主演で作られたようなので、少し、ピークを過ぎた元人気俳優に声がかかりやすいお話なんですね。