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冒頭でいきなり現代世界が機械によって破壊されて、その97年後の世界が舞台という珍しい物語です。軍事産業がロボットによって破壊の限りを尽くして、さらにAIに人類の将来をゆだねたものだから、地球の一番の敵は人類だ、と認定した、ということのようです。

機械によって破壊されたディストピアもの、という意味では、ちょっとTVシリーズの「レボリューション」に似ていますかね。ボウガンでロボットと戦えるかどうかはちょっと微妙な気がしましたが。

冒頭でアンドリューだけが97年後に生き残ってる、というところで、え?、となるのですが、それがすぐによくできたロボットだ、とわかって、人類の生き残りを狩るために人間に近づくのが目的だということになります。

で、彼が発見するのがカリア、という女性ですが、これがまた、一見たくましそうで、実はとてつもなくナイーブかつオマヌケ。1体だけロボットを爆弾で倒したと思ったら、それが最後の1個だし、アンドリューが飯も食わないし、現代のことをほとんど知らないのにおかしいとも思わないし、すぐに心を許しちゃうし。

敵のクロノス側も、人類の生き残りが集まる町「オーロラ」を探す気があるなら、とっとと探せばいいのに、なに回りくどいことして97年も無為に過ごしてきたんでしょうね。カリア一人に探索の望みをかける、ってどんだけ無能なんでしょうか。通信とかだったら機械なら傍受はお得意のものでしょう。アンドリューとカリアの周辺だけ隠しカメラで盗撮してる場合じゃないですよ。

そして、なんといっても、オチの「オーロラ」の場所が他の惑星だとか。そんな技術をいつのまに開発してたんですか、人類は。2020年の段階でその技術があったんですか。

とはいえ、カリア役のジャニーヌ・ヴァカーは話が進むにつれてかわいくなるタイプで、アンドリュー役ユリアン・シャフナーも不器用ながら、時にユーモアもあり、あまりロボットっぽく力強いシーンもなかったのですが、頑張っていたと思います。最後の方で、どっちに逃げる?となった段で二人が交互に「こっちだ」と言っていて、一瞬あとには「どうしよう」みたいな迷いぶりだったのが、ちょっと設定をちゃんとしてあげればもう少しうまくできたのかな、と思ったりしました。

で、若い二人にばっかり森の中を走り回らせて、ジョン・キューザック、楽をしているな、と思いながら見ていたのですが、どうやら最初は彼のシーンなしにいったん作品を作って、あとから付け足してお話を補強したもののようです。確かに森の中のシーンとナレーションでも作れそうではありますけど、ちょっと地味ですね。