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妻子を亡くして廃人同様に休業中の殺し屋トラヴィス(イーサン・ホーク)が、暗殺任務に失敗してインターポールの女性刑事に射殺されたのですが、暗殺ターゲットの情報を持っているということで殺し屋組織に無理やり蘇生されて、限られた余命を生き始める、という話です。原題も直訳すると「余命24時間」というわけです。

残った時間を使って何をするか、その間に何を探り出すか、がメインなのですが、この蘇生術には副作用もあって、幻覚を見たりする。死んだ妻や息子の幻影に悩まされながら、結局自分の組織を崩壊させる情報を持った証人と、証言を納めたデータカードを守ろうとする、という話。

一人で子育てをする女性刑事になんとなく感情移入してしまったところ、やわになってしまった殺し屋が良心に目覚める、甘ったるい話ではあります。途中でさらわれた女性刑事リンの息子クリストファーも割に地元の協力で簡単に奪還できたり、妻子の死も、組織のトップが命じたことだとわかったり(そんなの自分でわからないかな)、初めは裏切っていた親友も最後には組織のボスに反抗して協力してくれたり(最初から協力しろよ)、筋書き的には見え見えすぎるんですが、なんとなく見てしまいます。

ロケーションがあまり都会ではないので、爆発とか銃撃シーンはふんだんに、カーチェイスもお決まりのようにありますが、特別な見どころがあるようなものではありません。

義父のフランク(ルトガー・ハウアー)が後半で襲われるんですけど、プロの殺し屋を簡単に返り討ちにしたりして、なんであんなにタフなのかまったく説明がないですが、かつては同じような稼業をしていたんですかね。ならば自分の娘と孫が殺されたときに、なにかピンときていてもおかしくないはずなのですが。冒頭の魚釣りのシーンとかでぐだぐだ言っている哲学めいた言葉、なかなか含蓄がありました。

ラストシーン、死後の世界で息子と再会して終わりかな、と思ったら、どうも組織を逃げ出すときに助命した医師の声が聞こえて終わるので、もう一度蘇生されて、次の人生を始めるのか、リンの元に向かうのか、新しく殺し屋稼業を始めるのか、どうなんでしょ。フラッシュバックと幻影の頻度が増えて大変だったりして。

イーサン・ホーク、やさぐれたオッサン役が似合うので割に「プリデスティネーション」とかと似た感じに仕上がりました。