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疎遠になっていた父と娘の逃避行。最初に見ていたときはしょーもない娘だな、という印象なんですが、だんだんそれがかわいく見えてくるのがムービーマジック。

最初に薬で飛んじゃって、人を殺した(と思った)娘が逃げるための金をせびりに父親に連絡を取る、というのがきっかけで、そこから場末感が漂うわけですが、禁酒を続けて保護監察中の父親が、その気になればいろいろバイオレンスできちゃう、というところで少しカタルシスがある、という感じでしょうか。

そのうちに、なんで娘がこんなにしつこく追われるのか不思議に思えてきて、どうやら最初の情報以上に裏がありそうだ、となるところで引っ張るわけですが。

どうも、このへんの父親のふっ切れ方があんまりわかりやすくないのと、殺したはずのチンピラのモチベーションやら、盗まれた金はどこに行ったのか、みたいなところが着地しないままにただ決闘に向かっているのが、全体としてしかけが機能していないように見えます。

メル・ギブソンはいろいろと差別発言やらでちょっと敬遠していたのですが、久しぶりに見ると、まあ古いタイプのヒロイズムを背負うキャラクターなら安心して見られるな、という感じで、最後は自分を犠牲にして娘を真人間に戻して終わるので、まあよかったな、みたいな終わり方です。

ロケーションがずっと砂漠なのがやや単調に見えましたかね。あと、娘がずっとスマホいじっていて、そこから足がつくだろう、みたいな知恵すら回らないのがダメダメだなぁ、とか、突っ込み所はけっこうある感じです。