
「マトリックス」シリーズのウォシャウスキーズが作ったSF?シリーズ。
冒頭での誕生から、ジュピターと名付けられた少女がロシア系移民としてアメリカでトイレ掃除をしながら貧困にあえぐ姿とカットバックして、宇宙のどこかの星で高貴な種が地球を見下している、みたいな光景が展開します。
これでどこかでクロスするのかな、と思ったらいきなりジュピターを暗殺しようとするグループと守ろうとするグループの三つ巴の争い。
地球に住んでいる平民としては、誰が勝とうとどうでもええわ、になりかけるところがなかなか辛いです。
地球はこの場合、「収穫」される側で、家畜なのですね。この構図で、いや人類は希少なのだ、尊い生物なのだ、と主張できるものかどうか。今の地球で言ったら、牛か、ミドリムシか、みたいな立場になるわけですからね。
単純に家族や友達の命を握られたから、地球の命運を誰かに譲る、とかで解決するわけでもなし、長い目で見たらどうなるのか、問題が何一つ解決しないわけで、当面のドンパチや、崩壊する惑星から女王様の命ひとつ救ったからといって、なんでしょう。
面白い部分もあるし、王位継承のためにあちこちで書類をもらったり事務手続きでたらい回しにされるところが目先が変わってよかったですが、それ以外は、ややありがちな話でした。
キャストで、「ファンタスティック・ビースト」のエディ・レッドメイン、「キングスマン・ゴールデンサークル」のチャニング・テイタムなどが、70年代のフレディ・マーキュリーみたいな濃いメイクで出演しています。