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マイケル・キートン演じる元特撮ヒーロースターのリーガンが、舞台俳優としてのキャリアに賭けて、脚本・演出・出演にチャレンジしたら…、という設定で、追い込まれたり、希望を持ったり、もう一人のかつてのヒーロー〝バードマン〟の誘惑を受けたり、という物語。

特徴的なのは、多くのシーンがワンカット撮影されていることで、メイキングにもありましたが、このために役者さんたちを押さえて長期間リハーサルを行ったようです。最近の映画の世界ではけっこう珍しいんじゃないかと思います。

マイケル・キートンの実像とかなりかぶるのがいいことなのか悪いことなのか、やはり鳥人間と聞くとティム・バートンの「バットマン」のイメージが強いわけですが、どうも当時の等身大人形に合わせてバードマンの翼を作ったらしいので、あながち外れでもないようです。

エドワード・ノートンは「幻影師アイゼンハイム」や「グランド・ブダペスト・ホテル」などいくつか印象的な役がありますが、この作品では舞台バカとして、映画人を馬鹿にして舞台の演技はこうだ、と極端に走る役を演じて、けっこうリアリティーのあるバカぶりを演じています。

あんまり考えすぎることなく、人生の成功と失敗、そして時々語りかけてくるもう一人の自分とどうつきあっていくか、の一例として楽しめばいいのかな、と思いました。

ワンカット撮影と同時に特筆すべきは音楽でしょうか。主にドラムだけのサウンドトラックで、ときに啓示めいた場面ではクラシックの音楽が流れます。チャイコフスキーやマーラーなど、けっこうメジャーどころの大作がたくさん使われているので、耳にもぜいたくです。