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ハリソン・フォードがこの作品を受けて、こだわったのが、アクション・スターじゃない、情報アナリストとしてのジャック・ライアンを表現することで、従来の悪党をぶちのめす役柄とは違うものを心がけた、というメイキングの話なのですが、この作品がそれを達成できたかどうか、はやや微妙かなと思いました。

そもそも体格的にもそんなにひ弱ではないし、表情に凄味があるので、肉体的なバトルに自信がなさそうには見えない役者なんですよね。実態として殴るより殴られる方に回る、とはいってもそれだけでは、と思ってしまいました。

前に一度見た記憶はあったのですが、「パトリオット・ゲーム」というタイトル、みんな自分の思想信条にこだわって行動しているかのように振る舞っているけど、実はそれは借り物で、一枚皮をめくれば本能的な復讐心や単純な怒りのようなものに身を任せて行動しているだけなんじゃないのか、そんな皮肉が見えてくるようです。

後半に入ったところで、北アフリカのゲリラ組織を殲滅するところ、わずかなタイミングでIRA過激派の連中を仕留め損なった、ということなのか、この辺の情報からそもそもリークされていたのか、ちょっと分かりにくかったかな、というのと、IRA過激派の中でショーンがジャック襲撃にこだわって浮きかけていたのが、ホームズ卿がライアン家訪問することで一石二鳥になるのだ、というところがいま一つ描けていなかったな、と思いました。あと古書店に隠しカメラを仕掛けていたのなら、なんでショーンの護送計画がばれていると思わなかったのか、も謎でした。