
うろ覚えのイメージで「レッド・オクトーバーを追え!」の次がこれだと思っていたので、見てしまいましたが、よく調べたら「パトリオット・ゲーム」の方が先でしたね。
ジャック・ライアンをハリソン・フォードが演じるのはこれが2本目。「レッド・オクトーバー」の時はアレック・ボールドウィンが演じていて、そのころには彼も結構若くて、その役をハリソン・フォードがやるのか、ちょっと老けすぎてないかな、と思った記憶がありますが、今見るとハリソンもまだ若いとも思えますね。今が老けて見えるからかな。
政権の中での権力の乱用と、腐敗の構造をテーマにしたものとしては、今も旬なテーマと言えるでしょうね。大統領ははっきり口にして「それをやれ」とは立場上言えない、とはいうものの、実質上命令しています。つまり、安倍も、そういうことですよね。
途中、いくつかプロットで苦しいな、と思うところがあって、秘書のモイラをコルテズが殺すところ、彼にどんな狙いやメリットがあったのか分かりにくい、という点と、麻薬王が勢ぞろいしたところを爆撃するのに、なんでよりによってエスコベドの遅刻に気づかないのか。そしてウィレム・デフォー演じるクラークはなぜ子供がいるのを知りながら爆撃を見過ごしたのか。
ライアンとコルテズの一騎討ちになりそうなところ、結局クラークとの友情物語みたいになってコルテズがチンピラ化していくのはちょっともったいないな、と思いました。コルテズも状況に翻弄されて、決して大きな陰謀のプロットを描けるほどの大物ではなかったな、というところでしょうか。
クラーク演じる暗殺部隊も、米兵として行っているわけではない、という点ではあんまり同情できないわけですが、アメリカのオーディエンスはその辺は気にしなかったんでしょうかね。
まあ最後は一番の巨悪が裁かれるし、ライアンが「ボーイスカウトの正義感」を貫徹するところで終わるので、ハリソン・フォードは気に入っているんでしょうね。「24」あたりを先取りした感じですが、本当に腐敗した権力だと、ここでジャック・ライアンを暗殺しようという動きが出るんでしょうね。
メイキングで、麻薬王たちを集めて爆破した屋敷が、離婚した奥さんが家を破壊してほしい、と頼んで実際に家を爆破した、と聞いてちょっと笑いました。