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タイトルでネタバレされなければもっとうれしかったですが、なにが起きるかわかっていても、どう描いてくれるかで楽しめる、そんなSFです。

やはりヨーロッパだと女性の活躍が類型化されず、いろんなカッコいい女性が出てくるな、とあらためて思いました。

情報がほしいなと思ってウィキペディアを検索してもヒットしなかったので役者さんで検索したら、フランス語版だけありました。

これは、テレビ映画だったのですね。しかも、ずいぶんきれいに前半と後半の事件が別れているな、と思ったら、もともと2エピソードで放送したものを合体して1本の映画にまとめたようです。映画として公開されたのかどうかはわかりませんでしたが。

ロボットとしての仕掛けをこれみよがしにバラしたりしないし、あり得ないような派手な銃撃戦はなくて事件の性質がリアルなので、余計にアンドロイドとしての能力の発揮具合がリアルに見える、というそんな仕立て。事件の展開もヒューマンドラマをはさんでいて、なかなか演技のうまい犯人や容疑者が人間模様を見せてくれます。

パリの町並みも、適度な暗さをもって、セット的なチープなところが少なくて、ロケーションのリアルな質感が一味違う世界を見せてくれました。

主人公エマの正体がなぜもっと早くばれないのか、はややリアルから離れていますが、彼女の内面が、ほんとうにただの機械なのか、じつはそうじゃない部分に発展しかけているんじゃないのか、という含みがあるのが、とにかくいい。

人間的な心の動きこそが犯罪の手がかりにつながる、という敏腕警部についていくことで、ロジックと科学的手法だけに頼っていたエマが、少しずつ柔軟さや人の心を理解(?)していく、という魅力があります。

あと少しで、残酷さの少ない「ブレードランナー」の域に達していたんじゃないかな、と思います。

主演のソレーヌ・エベールは、眉が太い男前美人。最初そんなに美人かなぁ、と思っているんですが、立ち居振る舞いがカッコいい。そして、演技としても、どんな残酷な情報も悲しい出来事も、軽い微笑みで話す、という安定感のある表情演技と、数少ないアクションの完璧さで見事に演じていました。同僚の女刑事役が、サブリナ・セヴクという美人さんなんですが、「バッド・バディ」にでていたケイティ・ネイラに似てるなぁ、とずっと思ってました。ずっとフランス語しゃべってるから、さすがに違いましたね。

フランス語版ウィキペディアのリンクはこちら
https://fr.wikipedia.org/wiki/Emma_(s%C3%A9rie_t%C3%A9l%C3%A9vis%C3%A9e,_2016)