
クリーチャーとか宇宙船とかは、そんなにオリジナリティーがあるわけではないのですが、後半に行くにつれて人間ドラマで見せるというタイプの作品。
Pitch Blackは、漆黒、真っ暗闇、というような意味らしいです。
前半、宇宙船が難破するくだりはあまりにも単純な小隕石の衝突で、船長の死に方とか、そもそもそんな危険な宇宙船があるかよ、と思ってしまいました。惑星への不時着とか、人間がちょうど生存できる環境だとか、設定自体はちょっと都合よすぎるでしょう。
その後のすべての人々、特に犠牲者の行動原理が無謀すぎて、死んで当然に見えてしまうのはちょっとまずいかな。
「リディック」を借りようとしたら、その前日譚がある、と知って借りたので、リディックという名前が出てきたときに、彼は死なないんだろうな、と思いましたが、義眼だとか夜も見える目だとかいうのは初めて知りました。なんでこんな改造を受けたのか、続編で説明があるんでしょうか。
刑事だと思っていたのが、じつはバウンティハンターで、そんなに善玉でもない、というのはわかりますが、リディックがなんで最初からそんな悪者ぶっているのか、全員の生存に向けて、なんでちゃんとしたプランを立てようとしないのか、についてはちょっともの足りない部分もありましたかね。
一度は乗客の命を捨てて自分が助かろうとした船長代理が、途中から責任感に目覚めて、結果的には自分を犠牲にする、というストーリーにはちょっと盛り上がりを感じました。ただ、そんなにリディックが弱る局面があること自体が無理筋な感じはしましたけどね。
異世界の感じを出すために、画面全体を青っぽく染めたのは少し安っぽかったかなと思います。そうしないとただの砂漠になってしまうのもわかりますが。