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謎はあったけど解決はない、そんな話でした。ジョン・キューザックの魅力が不発に終わった、残念賞という感じでしょうか。「アイデンティティー」を見たばかりだったので、余計にその落差が激しかったです。

誘拐監禁ミステリーで、エドガー・アラン・ポーの作品に沿って犯人が手がかりを残していく、というのですが、そんなにポーの著作に詳しくない人にとっては、冒頭の数人の殺人以外はピンとこないものがつづき、単にポーと刑事が翻弄されている様だけを追っかける形になってしまったのは残念。

エミリーの側が少し逃亡の試みをするものの、大したことはなく、終始受け身で進むのも今どきのヒロインとしては物足りないですね。

ラストに刑事が犯人をつかまえるシーンだけおまけのようにありましたが、後の祭りというところ。ポーも犯人の言いなりに毒を飲んで死んでしまうし、なんのひねりもなかったのが信じがたいです。

エンドタイトルだけ、急に「ボーン・アイデンティティー」か「スパイダーマン」か、というグラフィックになったのもミスマッチ感が半端なかったです。

素材や時代設定、着眼点は面白かったのに、脚本の力不足ですね。

原題はThe Ravenということで、鴉。邦題は分かりやすいけど、ベタすぎませんかね。