イメージ 1

全編を通じての大雨による閉塞感と、次々におこる不愉快な事件に、ちょっとフラストレーションがたまるのですが、中盤以降、この出来事すべてを関連づけるヒントが出てきてからは加速的に面白くなっていきます。

ジョン・キューザックが中年になって、ケビン・スペイシー的な渋さと謎めいた雰囲気を漂わせて、いい感じになってきました。レイ・リオッタは例によって例のごとき、暴力的な単細胞の役で、これはこれではまっています。

モーテルで起きる殺人事件、ということで、「サイコ」の断片を思わせるシーンも時々出てきますね。特に最初の女優が殺されるシーンでビニールのカーテンをかぶっているところははっきりしたオマージュなんでしょう。

ホラーなら絶対に起きないはずの単独行動や、行くなと観客が思う方向に行ってしまう、突っ込み所満載の行動様式はあるのですが、内幕がわかってくると、これは仕方ない展開なんだな、と納得がいきます。

ラストでめでたしめでたしでなく、やはり最後の一捻りがあったか、というのも含めて、序盤が我慢できれば、うまく予想を裏切ってくれた、となる快作なんじゃないでしょうか。