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単純な続編かと思っていたら、スノーホワイト役のスチュワートは新撮なし、逆にシャーリーズ・セロンの魔女ラヴェンナが鏡の力で復活、彼女の妹フレイヤが中心となって、ハンツマン・エリック(クリス・ヘムズワース)の死んだ妻を巡る物語として展開。

前回三角関係の一角を担っていたウィリアム役のサム・クラフリンは、申し訳程度の再登場となって、少し殘念だったでしょうね。

細かい設定では、ラヴェンナに弟がいたことはハッキリしていたのに、急に登場して、え?とか、エリックの奥さんって、村で平和に暮らしてたところを殺されたんじゃなかったの?とか、前作の細かいセリフとの齟齬はいろいろあるように思います。そもそも、この映画の原題はThe Huntsman Winter's Warで、スノーホワイトはでてこないので、白雪姫をもう一度見ようと思って見た人はだまされたことになるんじゃないでしょうか。

もう一つあるのは、Huntsmanという名称の意味するところで、前作だとただの「狩人」か、狩りを得意とする森のことに詳しい人、程度の意味だったのが、フレイヤの指揮する、子どもから育てられた軍人、という意味に変質してしまったので、そこの違いは大きかったかな、と思います。

そこを乗り越えて見ていけば、これはこれで面白い。ラヴェンナとフレイヤの関係性、エリックとサラの心情の移り変わり、二人だけ登場したドワーフの恋のゆくえなど、縦軸としては別な楽しみ方ができたので、まあいいかな、と思います。

フレイヤ役のエミリー・ブラント、「ガール・オン・ザ・トレイン」でほぼアル中になりかけたような、疲れた主婦役を演じてましたが、この作品では全く違った、均整のとれた美しさでハッとしました。その中に揺れ動く「愛を否定したいけどしきれない弱さ」を感じさせて、一番の主役だったのかもしれません。クライマックスではいつのまにか一番かわいそうな人になっていました。子どもたちを育てたのは自分の愛情からだ、と最後には気づいたんでしょうね。

サラ役のジェシカ・チャスティン、敵か味方か、最後までハラハラさせるキュートな役どころでしたが、「インターステラー」にも出ていたんですね。

鏡の威力がどこまでか、というのはやや厳密さを欠いた運用だったかな、というのと、そういうこわいものを運ぶのになんで風に吹かれた程度で覆いがとれるようにしておくのか、みんな不注意だな、と思いました。