
ジョージ・クルーニーとクエンティン・タランティーノという二人の対照的な俳優の暴力性と狂気を楽しむ映画なのかな、と理解していて、それ以外はまあ最低限ストーリーを成立させるための付随的要素なんだろうな、と思います。
ジュリエット・ルイスの可憐さも見どころの一つですが、これを撮った時点ではもう23歳くらいになっていたわけですか。年齢としてはまだ若いのですがキャリア的にはもう中堅みたいな貫祿があります。
脱獄した強盗兄弟のロードムービーに巻き込まれた、牧師一家という組み合わせで、ハーヴェイ・カイテルは信仰心を失った牧師。彼の信仰心がどう復活するか、というテーマや、子ども二人の成長、みたいなものも縦軸にはなっているのですが、あまり説得力がなく、そのため、ラストでケイトが生き残っても、これからどうするのかな。たぶん、たくましく生きていくのかな、程度の感想はあっても、冒頭の時点からどう成長したのか、の変化はあんまりよくわからなかったです。
バーの「オッパイグルグル」という名称はともかく、ここの猥雑さを丹念に描くのがこの映画のイマジネーションの根源にあったのかな、という気がしました。