
実話を元にしているだけに、キリキリする感じのドキュメントタッチの映画です。
いま見ると、ああ記者はこうやって丹念に裏をとって、一人一人に聞いて、メモをとりながら記事を書いていたんだな、という当たり前のことが、改めて伝わってくる映画です。多少の脚色はあっても、足で稼いで、人に会って、人と話して、そこからいかにウソがなく、破綻のない論陣を張るか、がジャーナリズムの命なんだな、圧力がどのような形で襲いかかるか、それにどう脇を締めて対処するか、というのはツールが便利になったいまも変わらないんだな、と思いました。
プロット的には、ディープ・スロートに頼る部分が少し大きくて、実際もこうだったのかも知れないのですが、やはり曲がったことに対して忸怩たる思いでいる人も確かにいて、どんなに隠蔽しても辻褄の合わないことはいずればれる。そんな確信を持たせてくれる映画です。
NHKがBSプレミアムでわざわざこれを流すことの意味、わかりますかね。