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エンディングでまさかの展開でしたが、終戦間近のドイツとイギリスを舞台に描いた作品。

とにかく、ダレずにテンポよくこの大胆不敵な作戦を描ききっています。

序盤のシュタイナーの軍法会議のいきさつとかはちょっと時系列的に荒っぽいかな、とか、モリーとデヴリンの感情的なもつれ方が生煮えだとか、そんなことはいくつかあるのですが、作戦の遂行という大きな流れがあるので、あんまり気にしてる余裕がないというか。

少女が流されるのを助けようとしたことがきっかけで計画が露顕するとか、村人も目ざといなとか、最後に神父がデヴリンにだけはキレるのね、とか、シュタイナーは作品が成功したと信じて死んだのね、とか、そもそもラードルは失敗する確率の方が高いと思ったけど、シンクロニシティーに魅入られて、作戦の決行を決めたのね、とか、途中でシュルシュルシュルと勝手に撤収に入るヒムラーの姑息さとか、人間の振る舞いが味わい深くてすばらしいです。

あと、すごいのが音響。普段だと中央にしゅっとまとまる音場が、この作品だと縦横無尽に爆音が暴れまくり。1976年というとスターウォーズの前年ですからね。もはや写実的に描く記録映画のノリを越えたエンターテイメントとして意識されてる「売り物」だったという感じがすごくします。