イメージ 1

やはりカルト・クラシックとしての位置づけ以上にはいかないのでしょうが、見て飽きない作品です。ナタリー・ポートマンとジャン・レノの組み合わせ以外には考えられないほどに、このタイミングならではの二人の化学反応が魅力的なんでしょうね。

冒頭のマチルダとレオンの出会いは少し人工的というか、この時が初めての出会いにはちょっと思えないのが奇妙で、前からこの子が虐待されているのにはレオンは気づいていないとおかしいだろうと思ったり、あの父親はなんで麻薬をくすねているのがばれるのをわかっていながら逃げようとしなかったのか、とか、不自然な点がいろいろある気がしました。

マチルダが最初に18歳だ、と主張するところ、本当の年齢は12歳なんでしたっけ?ばれるタイミングがラストの方なので、なんで6歳もサバを読まれて気づかないのかな、とか不思議に思いました。

マチルダがマドンナやチャップリンのモノマネをするところ、正直あんまり面白くない、レオンが世間に疎いことを示すエピソードなのかもしれませんが。ターミネーター2の交流シーンの焼き直し感が強すぎなんですかね。

マチルダがレオンに愛を告白するところ、おっさんはそういうシチュエーションに萌えるのかもしれないのですが、レオンがそれをああいう形で放置するのはどうなんだろう。マチルダだって、父親からの愛情を注がれていない未成熟な部分への補償行為なわけだし、レオンも父親代わりの保護者にはなりきれていない、でも放っておいたらどういうことになるのか、に対しての危機感はちょっと薄いんじゃないか、いずれ彼女も組織に狙われる、という警戒心もないようだし、一人でいるときに何をするか、だってもっと心配するはずじゃないのかなぁ。

レオンとトニーの関係もその意味ではこの状況を生み出した張本人でもある、と言えるわけで、読み書きもちゃんとできない、率直に言うと少し頭の足りないレオンにつけ込んで、トニーはちゃっかりいただいちゃってますよね。最後にマチルダに100ドル渡して済むと思っているのも、ちょっと馬鹿にしてるというか、本当に彼女を将来的に育てる気があったのかどうか。元々警察からの仕事も請け負って、おいしい思いもしてきたわけだし、スタンスフィールドに締め上げられてレオンを死に追いやった張本人でもあるわけだし。スタンスフィールドが死んだあとも、後任がいて、警察からの殺しの仕事を引き受け続けるんですかね。マチルダの生命だって安泰とはいかないような気がします。

ゲーリー・オールドマンのスタンスフィールドは、本当に何をするかわからない、「バットマン」のジョーカーのような性格で、それが魅力の一つではあるのですが、逆に言うとこんな狂人が警察で普通に仕事をしていて誰にもその違法性を気づかれない、というのはちょっとありえないことのように思えます。

なので、最後にマチルダが生き残ったから少しは救われる、という気持ちにはなれない、バッドエンドに見えて仕方ないのですが、それでもこれを「純愛」と呼べますかね。