
フランスを舞台にした、ルクセンブルグ・フランス・アメリカ合作という珍しい映画。
アクションとサスペンス、謎解きがほどよくブレンドされて、キャストも新鮮、テンポもよい快作に仕上がったと思います。
アメリカでは建国記念日は7月4日ですが、フランスでは革命記念日の7月14日がBastille Dayと呼ばれて祝われるのだとか。そこを目指して起きる爆弾テロ事件。偶然が重なり調査するCIA捜査官とスリ、運び屋の運命が交錯する、というストーリー。
正直に言ってしまうと、「ダイ・ハード」と「48時間」そして「フォーカス」を上手にミックスした、という印象からは逃れられないのですが、それぞれのよさを取り入れて大きな破綻を見せなかっただけでもたいしたものだと思うのです。
テロリストか、と思っていたのがそうではなさそうだ、というところから、フランスの特捜隊がどうも絡んでいるらしい、そこからさらに警察のトップまで、という腐敗の構図と、フランス人に知られずに極秘捜査を行っているCIAの関係性などが、この設定の持ち味でしょうか。
前の職場でトラブルを起こして飛ばされてきた一匹狼のブライアーが、アメリカ人スリのマイケル、そして知らずに爆弾を運んでしまい罪の意識にさいなまれるゾーイとの逃避行を続けるうちに、ある種の絆を感じ取っていく、というのが感情的な縦軸なんでしょうかね。
主演のイドリス・エルバは、「マイティー・ソー」「プロメテウス」「パシフィック・リム」とそれなりに大作に出ていたもののそこまで全面にアクションを押し出したものはなかったですね。無表情ぶりと笑ったときの愛想よさのギャップというのがなかなか達者でした。マイケル役のリチャード・マッデン、整った顔で「ゲーム・オブ・スローンズ」では人気が出たらしいのですが、あいにく追っていないのでわかりません。ゾーイ役のシャルロット・ル・ボンは、あまり見た作品がありませんが、童顔がキュート。初めは運命に翻弄されおろおろしながらも、いったん腹をくくると意志の強さを見せて好演しました。
反面、悪役はちょっと「いかにも感」が強くて、あんまり手ごわさを感じませんでした。いろいろと策を打つのですが、全部後手に回って「うわ、この危機をどうやって回避するの?」と見る側がドキドキするほどの手を打ってこない。警察権力を悪用するだけでは、いずれ焼きが回る、と思うのですが。銀行の金が警察内部の反抗で奪われたことはいずればれるし、汚職の構造だってすぐにばれると思いますよ。
SNSにニセ動画を投稿して暴動をあおったり、それに大衆が簡単に煽動されたり、マスメディアは簡単に裏の取れてない噂を広めたり、といった現代ならではの世相に対しては少しチクリとするものもあり。