雑誌を読んだ後の聞きかじり逸話というのは、いつまでたっても変に心に残ります。

音楽の友だか、レコード芸術だかに、ギュンター・ヴァントの未亡人にインタビューした記事が載っているのを読んだことがあって、

たいそう気に入っていた庭の木があって、それが嵐で折れてしまったのを見て、「ああ、おれも終わりだ」みたいにぽっきりと気力が折れてまもなく亡くなった、というような話だったと記憶しています。

でもいま検索してみても、似たようなことを書いている人は一人も見当たらない。ヴァントじゃなかったのかな、ときつねにつままれたような気持ちでいます。