前に機内上映か、ケーブルで偶然見かけて、アン・ハサウェイの存在感が気になっていたのでやっと見たら、どうしてどうして、おとぎ話ものミュージカルの大傑作です。
原題はElla Enchanted(魔法にかけられたエラ)、Enchantedというタイトルの「魔法にかけられて」も有名でしたが、その系統のタイトルなのでしょう。見たDVDの邦題は「アン・ハサウェイ 魔法の国のプリンセス」とずっと平凡に見えます。enchantにはうっとりさせる、魔法にかける、という意味があるのですが、元来の魔法ということには呪文の詠唱も含まれ、そのことからchant(歌)という文字が入っています。歌に人々が魔力を認めてきたことの現れでもあるのでしょう。
冒頭から語り手に「モンティ・パイソン」のエリック・アイドルが出てくるところから魅力満載、設定の説明に無駄な時間をかけないコンパクトな導入、名付け親の妖精に服従の魔法をかけられてしまった不幸な没落貴族の娘エラが自由を勝ち取るまでの物語。
アン・ハサウェイは社会的な問題にも積極的に発言する、アクティブな女優さんですが、ここでも被差別階級のオーガ、妖精、巨人たちのための社会運動をする少女。ところが服従の魔法にかかっているため、継母の連れ子である義姉のいいなりに。彼女は名付け親を探し出して魔法を解いてもらう旅に出るという仕立て。
途中で名作童話の設定をメタ的にいじりながら、グリム兄弟の悪口が頻繁に出てきたり、悪役のエドガー叔父役がかつてメル・ブルックス版「ロビン・フッド/キング・オブ・タイツ」の主役だったケイリー・エルウィズだったり、いろいろと心をくすぐられる展開なのですが、特撮・合成シーンを駆使しながら楽しく見せる音楽・ダンスシーンの連続。
巨人の国でのSomebody to loveは、ここでその曲がくるか、という驚きとパフォーマンスの見事さに少し泣けます。クレジットを見てもアン・ハサウェイ自分で歌っているようですね。ちょっとびっくりするほど達者です。
物語後半のクライマックスも、カルメンか、というほど悲劇的なラストにいくか、というところ、鏡の部屋のトリックでのどんでん返し、戴冠式シーンでの口げんかしながらの剣劇と、みどころ満載。自分の運命は自分の意志で選びとる、という人間の自由讃歌としては、すばらしい出来だと思います。ラストシーンのインドミュージカルか、というモブダンスも見事です。
アン・ハサウェイの弾けるような魅力が満載。ですが興行収入は思うほど上がらず、世間的な評価はそれほど高くない作品のようです。もったいない!
原題はElla Enchanted(魔法にかけられたエラ)、Enchantedというタイトルの「魔法にかけられて」も有名でしたが、その系統のタイトルなのでしょう。見たDVDの邦題は「アン・ハサウェイ 魔法の国のプリンセス」とずっと平凡に見えます。enchantにはうっとりさせる、魔法にかける、という意味があるのですが、元来の魔法ということには呪文の詠唱も含まれ、そのことからchant(歌)という文字が入っています。歌に人々が魔力を認めてきたことの現れでもあるのでしょう。
冒頭から語り手に「モンティ・パイソン」のエリック・アイドルが出てくるところから魅力満載、設定の説明に無駄な時間をかけないコンパクトな導入、名付け親の妖精に服従の魔法をかけられてしまった不幸な没落貴族の娘エラが自由を勝ち取るまでの物語。
アン・ハサウェイは社会的な問題にも積極的に発言する、アクティブな女優さんですが、ここでも被差別階級のオーガ、妖精、巨人たちのための社会運動をする少女。ところが服従の魔法にかかっているため、継母の連れ子である義姉のいいなりに。彼女は名付け親を探し出して魔法を解いてもらう旅に出るという仕立て。
途中で名作童話の設定をメタ的にいじりながら、グリム兄弟の悪口が頻繁に出てきたり、悪役のエドガー叔父役がかつてメル・ブルックス版「ロビン・フッド/キング・オブ・タイツ」の主役だったケイリー・エルウィズだったり、いろいろと心をくすぐられる展開なのですが、特撮・合成シーンを駆使しながら楽しく見せる音楽・ダンスシーンの連続。
巨人の国でのSomebody to loveは、ここでその曲がくるか、という驚きとパフォーマンスの見事さに少し泣けます。クレジットを見てもアン・ハサウェイ自分で歌っているようですね。ちょっとびっくりするほど達者です。
物語後半のクライマックスも、カルメンか、というほど悲劇的なラストにいくか、というところ、鏡の部屋のトリックでのどんでん返し、戴冠式シーンでの口げんかしながらの剣劇と、みどころ満載。自分の運命は自分の意志で選びとる、という人間の自由讃歌としては、すばらしい出来だと思います。ラストシーンのインドミュージカルか、というモブダンスも見事です。
アン・ハサウェイの弾けるような魅力が満載。ですが興行収入は思うほど上がらず、世間的な評価はそれほど高くない作品のようです。もったいない!
セクハラで大問題になったボブ・ワインスタインの名前も製作総指揮で見えたりして、この映画のテーマとなっている平等・公平の概念が果たして女性も同じに扱っているか、も考えるべきテーマなのかもしれません。
