アルコール中毒の元主婦の独白で始まるので、どよーんと重たいなぁ、と思うのですが、次に主人公的な女性の目線がいくつか切り替わるので、やや混乱します。これ、群像劇にするべきだったのかなぁ。主人公はレイチェル一人で十分だったような気がします。一人称の視点から自分の記憶が信じられない、という形にした方が説得力があったような。
それでも、「ゴーン・ガール」の息苦しさよりは、呪縛から解き放たれていく主人公レイチェルの再生劇にはなっているので、カタルシスはありました。
いずれにしても、後半になるにつれて少し謎解きがだれてきて、どんでん返しがあったあとはもっとテンポよく処理してほしかったな、ということと、警察の無能さが際立ちます。こんなの、一人一人がしっかり対処していれば、殺人自体を未然に防げたのでは、と思うのですが、暴力と家庭内の圧力にさらされた女性がいかにがんじがらめになるか、ということもテーマの一つなのでしょう。
気に入ったシーンの一つは、森で呼び出されてまたトムとの情事にふけるのか、と思わせたメーガンが妊娠を告白するところ。かつて赤ん坊を溺死させた時に目を覚まさせた天井からの水滴と似た形で、雨粒が額に落ちて我に返る演出、うまいなと思いました。一見自暴自棄に見えて、いちばん人としての大切なものを最後に取り戻せた、一番切ない登場人物でした。
それでも、「ゴーン・ガール」の息苦しさよりは、呪縛から解き放たれていく主人公レイチェルの再生劇にはなっているので、カタルシスはありました。
いずれにしても、後半になるにつれて少し謎解きがだれてきて、どんでん返しがあったあとはもっとテンポよく処理してほしかったな、ということと、警察の無能さが際立ちます。こんなの、一人一人がしっかり対処していれば、殺人自体を未然に防げたのでは、と思うのですが、暴力と家庭内の圧力にさらされた女性がいかにがんじがらめになるか、ということもテーマの一つなのでしょう。
気に入ったシーンの一つは、森で呼び出されてまたトムとの情事にふけるのか、と思わせたメーガンが妊娠を告白するところ。かつて赤ん坊を溺死させた時に目を覚まさせた天井からの水滴と似た形で、雨粒が額に落ちて我に返る演出、うまいなと思いました。一見自暴自棄に見えて、いちばん人としての大切なものを最後に取り戻せた、一番切ない登場人物でした。
後半に鍵となる主人公の立ち直りのきっかけを与えてくれる、元夫の元上司の奥さん、という役に、「フレンズ」でフィービー役をしていたリサ・クドローが出ていて、一瞬テリ・ガーを思い出したのですが、ああ、貫祿と気品のある女優さんになったんだなぁ、と感慨深いです。
