ウィリアム・スタインバーグという指揮者は日本ではそれほど天下を取った人ではないですが、アメリカの音楽界ではオーケストラ・ビルダーとして相当な功績のあった人で、晩年のボストン交響楽団との録音には名演奏・名録音が少なからずあります。
ユダヤ系の家系でナチスドイツに嫌がらせを受けて出国、イスラエル・フィルの創設にも尽力し、アメリカに渡ってからはトスカニーニの評価も高かった、そんな人です。たしかに全体的にリズム感がしっかりして、緩んだところのない演奏をするのでフルトヴェングラーよりはトスカニーニの方がスタイル的には近いのかもしれませんが、トスカニーニとは違い、ベートーヴェン、ブラームスにとどまらずブルックナー、マーラーも非凡な演奏を残したし、何よりトスカニーニよりもユーモアやふくよかさがあり、オペラ以外ではトスカニーニより上ではないかと思います。
そんなスタインバーグの28枚組のボックスセットがあって、いろんな演奏が聴けるのですが、いま聴き終わった「春の祭典」はちょっと他にない面白さ。第二部クライマックスの変拍子は古参の名門オケでも少しゆとりを持って、間違いのないように弾く分、少しリズムが甘いのですが、スタインバーグはとにかく攻める。ラストは若干崩壊気味なのですが、プラスに少し突っ込ませてへんな緩みがなく、変拍子に入ってむしろテンポアップ。いろんな「ハルサイ」を聞いてきましたが、このスタイルは聞いたことありませんでした。
ユダヤ系の家系でナチスドイツに嫌がらせを受けて出国、イスラエル・フィルの創設にも尽力し、アメリカに渡ってからはトスカニーニの評価も高かった、そんな人です。たしかに全体的にリズム感がしっかりして、緩んだところのない演奏をするのでフルトヴェングラーよりはトスカニーニの方がスタイル的には近いのかもしれませんが、トスカニーニとは違い、ベートーヴェン、ブラームスにとどまらずブルックナー、マーラーも非凡な演奏を残したし、何よりトスカニーニよりもユーモアやふくよかさがあり、オペラ以外ではトスカニーニより上ではないかと思います。
そんなスタインバーグの28枚組のボックスセットがあって、いろんな演奏が聴けるのですが、いま聴き終わった「春の祭典」はちょっと他にない面白さ。第二部クライマックスの変拍子は古参の名門オケでも少しゆとりを持って、間違いのないように弾く分、少しリズムが甘いのですが、スタインバーグはとにかく攻める。ラストは若干崩壊気味なのですが、プラスに少し突っ込ませてへんな緩みがなく、変拍子に入ってむしろテンポアップ。いろんな「ハルサイ」を聞いてきましたが、このスタイルは聞いたことありませんでした。