アーセナルのヴェンゲル監督が今日の試合で退任。契約を1年残しての早期退職となりました。形式上は円満ですが、原因はファン層の分断にあったとか。

若手を起用し、育成することで次世代のスターを育てることに喜びを感じ、華麗なパスワークで相手を崩す「ビューティフル・ゲーム」を志すヴェンゲル監督の理想は、現実の目の前の勝利、プレミアリーグ優勝が手に入らないと満足できないファン層からはしびれを切らされていたようで。

大枚をはたいてスター選手を引っ張ってこない。プレーのスタイルや人格が備わっていないとトレードも行わない美学、僕は好きでしたけど、大金を使わないと勝負してると実感できないファンもいるようで。特にチェルシーやマンチェスター・シティのような、石油王の資金力を背景にしたクラブが札びらで高額の選手を次々と獲得するようになってからは、時間がかかり、時にはひ弱なプレーを見せて監督の理想をコンスタントに体現できない選手への不満も高まっていました。

クラブの経営とは、消費だけではなく、スタジアムの建設、トレーニング設備の整備、黒字経営、持続祭の追求など多岐に渡ります。長期政権のメリットはそういうクラブの理念に基づいて長期計画を立てられること。この条件を満たしながら長年トップ4を維持してきただけでもものすごい偉業だと思うのですが。

ファンは何を望むか、十分考えて行動するべきでしょうね。
Be careful what you wish for.
お金を使って高額の選手さえいれば満足なら、中身はどうでもいいことになり、結果的にはチェルシーを応援しても同じことじゃないですか。