
新聞で読んだ、親子の交通事故死。最初は思わず笑ってしまうような他人事だったのに、いつの間にかその親子の車に乗せられて、八方ふさがりの自分の人生を振り返ることに。そして出会うのは現在の自分と同い年の過去の父親…。
いくつかの巧妙な設定をすることで、微妙によじれあった人間関係を解きほぐしながら、主人公のおかれたシチュエーションと、それを変えていこうと試みる再生を描いています。
要するに、現代版「クリスマス・キャロル」ですな。
設定・ストーリーがファンタジーの割に、主人公が直面している現実はかなりリアリティーがあり、奥さんの浮気絡みの話などはかなりなまなましい。これが狙った違和感なのか、ちょっとはかりかねる部分でもあります。
最終的には、結末部分ではなにも解決しない。「死んじゃおうかな」と思っていた主人公が「すべて受け入れよう」と開き直るだけの、わずかな違い。それが現実をすべてうまく変えるとは思わないけれども、何かが始まる、そんな期待感を持たせるラストです。
父親とのからみが現実を変える、そういう意味では、微妙に「フィールド・オブ・ドリームス」も入ってますな。