イメージ 1

クリストファー・ウォーケンのちょっと最近の作品なのでいわゆる「ジャケット借り」です。原題はAROUND THE BEND で、直訳すると口語で「気の狂った」という意味だそうです。ニュアンスをもう少し生かすと「一線を超えて」みたいなことなんでしょうがタイトルとしては冴えないですからねぇ。意訳としてはこのタイトル、ちょっとベタですがしょうがないのかなぁ。

3世代の親子の交流というのはありがちですが、これはその上を行く4世代の物語。とはいえ、最終的には父と子の話ではあります。考古学者の曽祖父ヘンリー(マイケル・ケイン)、祖父のターナー(クリストファー・ウォーケン)、父のジェイソン(ジョッシュ・ルーカス)、子のザックというところ。

冒頭、ヘンリーがもうぼけ始めてるのかな、と思わせるオープニング、もう死期が近いらしいのですが、そこに30年も行方をくらましていたターナーが現れます。その息子のジェイソンはこどものころに事故に遭って足に障害を負っていますが、その大事な時期に父親のターナーが家族を捨てて去ってしまったことを許していない、という筋立て。

最長老のヘンリーはこの一族の和解を喜びますが、遺言を残してKFCであの世へ。その遺言に従って、残された三世代の親子はあちこちに遺灰を蒔く旅に出る、という、絵に描いたようなロード・ムービー。ひいおじいちゃんのヘンリーの死などは非常に軽妙に描かれ、飼っていた犬までタイミング良く死ぬところなど、ずいぶんテンポよく描かれます。道中では、まじめな銀行員のジェイソンと、対照的な元ヤク中/ターナーの自由奔放ぶりを対照的に描きながら、楽しく進んでいきます。ザック役の子役が相当に達者で、なかなかの味わいを見せてくれますが…。

クライマックスは、父ターナーが息子ジェイソンを捨てた本当の理由、に焦点が絞られてくるのですが、ここに意外なほど意外性がない。怒鳴り合いの演技合戦もいいんですが、そこにもう一ひねり欲しかった、というのが正直な感想です。前半は80点、後半は60点というところでしょうか。繰り返し見たいような名作かというとそれほどではないというところに落ち着きます。「ビッグ・フィッシュ」を見てしまった後ではもう、仕方ないですな。

マイケル・ケインは貫録の演技ぶり、クリストファー・ウォーケンも実年齢よりは老け役に挑戦してなかなかの味わいです。もちろん普通の老人ではありませんが。それに比べると息子役のジョッシュ・ルーカスはちょっと貫録負けしてますかね。

あと、ジェイソンの愛人?カトリーナ役をグレン・ヘッドリーという女優さんがやっていて、昔ずいぶん美人だと思った記憶があって、何に出ていたのか調べてみたら、「ペテン師と詐欺師~だまされてリビエラ Dirty Rotten Scoundrels」というお馬鹿コメディーでした。確かこれにもマイケル・ケインが出ていたと思います。相手役はスティーブ・マーティンだったかな。こっちの方が個人的にはお勧めです。