どうも雲行きがあやしいですな。在上海日本総領事館の男性館員の自殺事件のその後のお話です。外交機密に関する情報提供を強要されたという遺書があったらしいのですが、それ以上の詳しい情報はニュースとしても公開されないので、そもそもの問題の本質が見えなくなっているというか。

しかしながら、これがニュースとして流れるということ自体、表ざたになっている事を表すわけで、こうなると正しいのはどっちか、というのは事実の開示をもって証明するしかないのですよね。遺族のプライバシーへの配慮からか、そのあたりの手口の詳細も明かされないので、余計な詮索が横行する事にもなっているようです。

中国側は当然ながら疑惑を全面否定してますな。こうなると国同士の威信の問題なので、ちょっとしてから「勘違いでした」では済まされない。北方領土や台湾問題と同じく、寝た子を起こさないように、他の問題と切り分けて少しずつ忘れていくしかない問題になってゆくのでしょうか。

不思議なのは、世の中の外交の手練手管の中には、たとえば色仕掛けで篭絡して情報を入手する、なんてのは日常茶飯事にありそうで、そんなの引っかかる方が悪いんじゃないの、という面も多々あるような気がする事です。

で、多分そういう事は近代国家の歴史の中では無数にあるはずで、しかも表ざたにはならないのが当たり前なのでしょう。こういう事を表に出して抗議の材料にする、というのは放課後の反省会で給食の時間にデザートをとられた事を言いつけるような無粋な行為ではないのかなぁというのが、今回の事件を見ながらの正直な感想なわけです。あるいは表ざたにせざるを得ないような、悪らつな行為があったんでしょうか。しかもそれをはっきり告発する証拠があると。そこまで勝算がないと、これは表で争ってはいけない事柄なのだと思います。

一番まずいのは、これを表ざたにする、という決断をした人がものすごくうぶな人で、物事を四角四面にしか受け取れず、先生に言いつける、ぐらいの感覚で決断を下してしまったケースですが、まさか、ですよね。