イメージ 1

イメージ 2

これはもっと早く見ておきたかったものの一つなのですが、とにかくチャンスがなかったものの一つです。

時代としては正確な考証がよく分からないのですが、イギリス植民地である事は確か。カリブ海のどこかなんでしょう。海賊がここにどの程度出没しているのかはよくわからず。また、海賊ものの割に、海上でのダイナミックなシーンや、航海術の裏技みたいなものはあんまり見せてくれません。ただ、海賊物に必須要素であるお宝と戦闘シーンはふんだんに。

序盤にいいところの娘であるところのエリザベス(キーラ・ナイトレイ)が子供時代に漂流していたウィル・ターナー(オーランド・ブルーム)と出会うシーンがあり、いきなりそこから10年ほど飛びます。そこにひょっこり一人で現れたのがジョニー・デップ演じる海賊ジャック・スパロウ船長。街で一騒動起こした後、牢獄へ。その後に街を襲った別な海賊が、エリザベスを海賊の末裔と勘違いしたところから、誘拐されて物語が展開していきます。実は本当の海賊の末裔は…、みたいな展開ですな。

普段は略奪を繰り返して、ただ悪者をやっていればいいはずの海賊に、切実なモチベーションがあって、かれらを追い回す海軍の人々が、かえって規則に縛られた堅物のつまらない人々にみえる、というのがこの映画の魅力なんでしょう。ただ、自由なはずの海賊にもそれなりの掟というものがあって、時には自分の気持ちに正直になれないときがある、というあたりをうまくついています。

オーランド・ブルームの出世作、というか、ここまでの仕事の中では一番おいしいものではなかったか、と思いますが、反面、やはりこの映画でも真の主役にはなれない、「不足感」を漂わせています。それは甘さだったり弱さだったりするのかも知れません。彼に不足したものをすべてジョニー・デップが補ってこの映画を魅力的なものにしています。裏切りあり、口八丁ありの、いわばルパン三世ですか。

サブタイトルがCurse of the Black Pearlだったので、黒真珠を奪ったものにノロイがかかる、というお宝物かな、と思っていたらそうではなくて、ジャック・スパロウがかつて乗り回していた海賊船の名前がブラック・パール号だったのですね。

とにかく裏切りと、船の略奪が目まぐるしく入れ替わりますが、脚本は緻密に練られていて飽きさせません。また特撮系はもっぱら月の光の下のシーンの表現に力を入れています。バルバロッサ船長とリンゴ、というモチーフ、うまく使われてました。

キーラ・ナイトレイのエリザベス、「ドミノ」よりはよっぽど当たり役で、気高さと素朴さ、芯の強さが程よく表現され、時に絶好調の時のウィノナ・ライダーかと錯覚させるような瞬間がありました。父親役のジョナサン・プライスは「未来世紀ブラジル」の人ですが、スタン・ローレルの再来のように見える瞬間があるのですが、割に堅物役の父親に徹せざるを得なかったためか、もう一つ魅力爆発とまでは行きませんでした。

それでも総合的には十分に魅力的なエンタテイメントになっていました。噂だと第6作まで作るつもりだとか。同じキャストではちょっと難しいでしょうけどね。