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ロバート・カルプと言う人がゲストスターで犯人役をやっていました。私立探偵社を経営する元警官、という設定で、捜査を始めたコロンボに協力を申し出る、という筋立て。原題の"Death Lends a Hand"というのもここから来ています。

3社の新聞社を抱えてマスコミに絶大なる影響を持つ新聞王の奥さんの浮気調査を頼まれたのをきっかけに、次の選挙戦の情報をこっそり教えてもらおうと奥さんをゆする犯人。ところが断られ、あわや身の破滅を招きそうに。慌てて左手のバックハンドで殴ったのが運悪く後頭部にゴツン。犯行の瞬間のイメージ映像が結構いけてます。コロンボぐらいの時代までは、無残な死体をあまり露骨に見せないで演出で見せようという心意気があっていいですね。

一度は浮気を疑った妻を殺された新聞王役にレイ・ミランドが登場。このひとは、「悪の温室」で犯人役も演じた名優で「X線の目を持つ男 The Man with X-Ray Eyes」というカルトSF作品を見た事があります。

妻を殺され、なんとしても犯人を挙げるのだ、というプレッシャーをコロンボにかけ続ける立場であるのが味噌で、その意味でもこの新聞王の役割は非常に大きいです。

反面、カルプ演じる探偵の方はやや小物感が漂ってしまい、もともと殺したきっかけもちんけなゆすりが目的だし、相手が断ってきたときにどういう事態になるかを全く想定していないあたり、頭もあんまりよろしくない。すぐかッとなる悪い癖もコロンボの前で見せてしまったり、コロンボの実力を知ってしまった今となっては、なんとも詰めの甘い犯人です。

そんなわけで、終盤には新聞王とコロンボの強力なタッグの前に哀れな姿をさらすようなことになるわけですが、それでもレイ・ミランドのどうどうたる存在感があるからこそ、最後まで緊張感を持って見れたのかな、と思ったりもするわけです。なぜ、死体を搬送した車にこだわったのか、というところがミステリーのトリックとしてはミソなんですが、そういう引っかけの用意周到さはコロンボの恐ろしい所でもあったりします。

でも、よく考えると、新聞王が探偵に捜査の協力を依頼しなければ、コロンボは犯人とは出会わない予定ではなかったかと。そういう意味では、余計な捜査を手伝ってしまったがために犯行がばれてしまうという、なんとも不幸な巡り合わせでした。