
とにかく、序盤からただならぬ空気が漂い、丸1年間眠っていない、異常に痩せた男の登場です。どうも何かの機械の工場に務めているから、マシニスト(機械工)という位の意味でタイトルがついているとしか思えないのですが、話が進行するにつれて、この仕事自体が彼の味わう恐怖につながっていくのか、と思うとそうではなくて、最後まで見て、やっと彼が異常に痩せているわけが分かる、という仕組みです。見終わってから、何が現実で何が虚構なのか、ちょっとわからなくなる、という感覚があるのですが、だからもう一回見たいか、と言われるとあんまり見たくないかも。「メメントMemento」を見たときの感覚に似てますかね。
途中から、主人公の味わっている不快感から、彼が何かしでかしてしまう、というオーラを発しすぎて、「あ、来るぞ来るぞ」という感覚と同時に「ああ、そんな画は見たくない」という拒否反応が来てしまい、特に子供がからむシーンは「あの子がこんなことになったらもう俺は見ないぞ」と小さな決心をしながら見たりしてました。ああ痛々しい。
実際、中盤の話の進行は状況証拠が次々に上がってくるので、主人公の肩を持つ気には到底なれないというか、これは彼の精神が病んでいる、という月並みな話になるのでは、という予感がどんどん強くなっていきます。
ただ、実際のオチの付け方が、かなりうまくて、いろいろなピースが一つに収まっていく感覚は「バタフライ・エフェクト」や「メメント」よりも上かも。だから前半の不快な数々のシーンが耐えられたのだとも思えます。
ただ、冷蔵庫の張り紙の文字を埋めてくシーンは、ずいぶん序盤でネタがバレバレでしたね。だって「シ○イ○ング」と一緒だもん。あ、言っちゃった…。
あと、「ルームメイト」のオカッパのイメージしかなかったジェニファー・ジェイソン・リーが場末の娼婦役なんだけど、貫録の演技でした。