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偶然なのですが、岡嶋二人の作品をもう一つ読もうとランダムに手をとったら、先日の石持浅海「セリヌンティウスの舟」にだいぶ趣向の似た作品でした。まあ、すでに終わってしまった知人の死を、あとから関係者が一同に会して、推理合戦を繰り広げる、という意味で似ているのですが、それだけ似てれば十分ですよね…。で、タイトルも石持浅海に「扉は閉ざされたまま」という作品がありましたが、これは、「そして扉が閉ざされた」。

密室に監禁された4人の男女、というシチュエーションは、さっき見たばかりの「キューブ」にも似ているのですが、こっちが囚われているのは、地下にうめてある核シェルター。まったく外からの救助が期待できない状況で、全員が麻酔をかがされてここに連れ込まれます。仕掛け人は、全員が知っている、死んだばかりの咲子の母親。彼らのうち誰かに娘の死の原因がある、と確信しての監禁ではないか、ということで、こっちはちゃんと10日分のカロリーメイト、という時限爆弾というか制約もあり、トイレもあるので、ちょっと読む方にも安心感があります。

純粋ロジックで詰めていくと、誰も犯人が見つからないのかも、という一件破綻しかけている密室プロットですが、過去のフラッシュバックシーンを挿入している事で、読者にももしかしたら謎が解けるかも知れない、という可能性は残されています。まあ、あんまりそこのトリックには感心しませんでしたけどね。そういう意味では容疑者が限られているのであんまり謎解き的な醍醐味は、うん、それほどでも…。

この作家の作品はどうも恋愛沙汰に関してはちょっとナイーブというか、初々しいというか、ジュブナイル系の恋愛しか描けないようですね。どうしても人への思いやりとか、そういうものが動機付けの大きなウェイトをしめていたりするので、ややまだるっこしい部分も正直ありました。

しかし、この作品が発表された時点では、こういう事を書いた作家はまだいなかった、のかなっ?順序としては今読んで文句を言うのはお門違いかも知れませんね。