

途中山手線が人身事故で止まったりして、開演時間には間に合わなかったのですが、頭10分ぐらい、欠けてもいいやと思いつつ、現場に着いてみたらまだ予告編をやっていたので「ラッキー」という感じです。席もそこそこ埋まっていたのですが、それでも鑑賞の妨げになるようなものではありませんでした。
アニーを演じる主演のナオミ・ワッツ、なかなかいいブロンド美人を演じていると思いました。ただ、大人になってこちらが知恵がついてしまったためか、ああいう現場にいたら、実際にコングに慣れる、というよりは、ものすごい悪臭やら虫の大群やらにやられて、すぐに病気になって死んでしまうんだろうな、とか、おなかが空いてないのかな、とか余計な事が気になって、美女と野獣の心の交流、というところが素直に受け止められなくなっている自分に気付きました。
監督さんは「ロード・オブ・ザ・リング」のピーター・ジャクソン。なんとなく、中で登場する映画監督、ジャック・ブラックに自らを重ね合わせているみたいで楽しい仕掛けです。劇作家とアニーの恋、というのは映画の縦軸として必ずしも機能してはいないのですが、それでも来るべき結末を予感させる要素にはなっているみたいです。
舞台が20世紀前半?になるのか、映画産業と舞台演劇とが拮抗していた時代のニューヨーク。主役のアニーが売れない喜劇女優だという設定、なかなか良かったです。これは原作にもあった話なんでしょうか。旧作を見ていないので、なんとも言えないのですが。3時間あまりの大作なのですが、実に恐るべき時間が、前半のおぜん立て部分に割かれています。ジャック・ブラック演じる映画監督が、未完のフィルムを持ち逃げしながら未知の島を目指す、看板女優に逃げられて、道端でアニーを拾って説得する、そして船上での劇作家ジャックとアニーのロマンス。えらい盛りだくさんです。だんだん映画撮影に熱が入ってくるシーンなど、アニーの女優としての才能が開花しかけている、という意味付けなんでしょうか。
そのあと、島に行ってから原住民にアニーがさらわれて、それ以降はCGによるアニー争奪合戦。生物学的にはちょっとあり得ない組み合わせの豪華な怪物の取り合わせでかなりの時間が島でのどたばたに割かれています。監督がやりたかったのはむしろこの部分なのでしょうね。ちなみに予告編に出てきた海岸でアニーが叫ぶシーンは本編では使われていません。もともとその予定だったのか、編集段階で落ちたのか。
後半の有名なエムパイアステートビルのシーンなどは、なるほど壮観です。ちょっと昔のニューヨークをあれだけどうやって再現したのか知りたいところです。全部CGなんですかね。
細かい筋を突っ込み出すと、本当にきりがなくて、たった一人の女性がさらわれただけで、乗組員全体が重装備して救出作戦を行うだろうか、とか、例の未開文明は長年あのコングと共存するためにどういう犠牲を払ってきたのか、とか、アニーのコングに対する愛情は、どのあたりまでだったのか、コングが捕まってからの彼女の抵抗が全く描かれていない、などいろいろと不満はあるのですが、まあまあそれはこの映画の場合余計な気遣いかも。
しかし、コングは彼女にほれてたんですかね、それとも、Mの気があって、彼女にしかられるのがうれしかったんですかね。あと、警官にしても、飛行機隊にしても、人質がとられてるのに気付いてるのか気付いてないのか、なんのためらいもなく撃ちまくってましたね。ちょっとああいうところ、アメリカ人の無神経さが出ているようでいやでした。今の世の中を舞台にリメイクしたら、動物観とかでギャップがでかすぎて映画にならないのが、時代設定を古いままにしておいた理由かもしれません。
敏捷で力強いキングコングの描写、ドキドキさせる戦闘シーンは楽しめたと思いますが、一部CGがカクカク行っていたような部分もありました。どの映画館で見てもそうなるのか、たまたまなのか、知りませんが。