
原題は、「Murder by the book」ということで、直訳してしまうと本による殺人、という味も素っ気もない内容なんですが、このby the book というフレーズには「マニュアル通りに」「四角四面に」みたいな意味もあるので、そう考えると、ちょっと深みがあるでしょう。
犯人のケン・フランクリンは要するに「素人」なんですね。前2作「殺人処方箋」「死者の身代金」を見た後に、この犯人(ジャック・キャシディ)のコロンボに対するナメぶりを見ているとまたそれを痛感してしまいます。自分がミステリー作家だから、この位のエサをばらまいておけば、警察も喜んで飛びつくだろう、とかタカをくくっているのがありありと見えるのです。直前の奥さんへの電話の仕方といい、田舎のおばさんにゆすられてしまうようなへまをしでかす様子といい、プロットはともかく、やることなすことすべて「素人」なんですが、その素人ぶりに自覚がない、そこらへんのダメダメさがそれっぽい、というのは意地悪な見方でしょうか。
これが本格的なテレビシリーズの第1作で、しかも監督は新鋭のスティーブン・スピルバーグ。タイプライターの音の使い方とかは面白いと思ったのですが、それほどの面白い演出でもありませんでした。