以前から、リコールおよび点検作業をしていたはずの、松下電器が作った温風機の事故で、あらたに2名が一酸化炭素中毒の事故にあって亡くなったそうですな。率直に言います。これは松下電器の一義的な責任ではなく、経済産業省の指導に最も大きな責任があります。

記事によれば、量販店などで販売されていたため、対象となる「FF式石油温風機」19機種と「石油フラットラジアントヒーター」6機種を誰が購入したかが、36%しか分からない状態が続いているそうではないですか。今回初めて「松下電器に対して」、周知を徹底する「緊急命令」を出した、とか言ってますが、これは基本的な危機管理意識の欠如に他なりません。

今から調査をして、購入者を究明しろと言ったって、私立探偵をやとって一件一件家の中を調査するわけにも行かず、松下電器にできることだって、おのずから限界があるでしょう。

人命に関わることで、誰が被害に遭うかも分からないのに、対策を一企業任せにしているこの経済産業省のやり方こそが人命を失わせたのです。

命を奪う危険性のある家電製品がある、ということが分かった時点で、それこそ「どんな手段を使っても、全国民に知らせる」ことこそが、唯一にして有効な対処法ではないですか。即刻、日本中のあらゆるテレビ局/ラジオ局、新聞各紙のニュースで1週間にわたってこれを知らせることを命令する、ぐらいのことは僕でも思いつきますよ。

一企業のコマーシャルや、ホームページなんか、お年寄りの2人暮らしの家庭でいったい誰が見ますか。オウム真理教のサリン実行犯の指名手配よりもずっと簡単なことです。最優先するべきことが分かっていないから、出すべき指示が出せていないのです。もう一度言います。責任は、経済産業省にあります。