テレビの世界も買収騒動に揺れていますが、もっと深刻な話は広告収入の減少でしょう。いままでは、なんだかんだ言ってもテレビでCMをうつことが一番の PRと信じて疑ってこなかった企業が、次第にネットの方に乗り換え始めているらしく、日本テレビ、TBS、テレビ東京の3社でCM収入が前年度を下回ったのだ、とか。

確かに個人的に問われると、テレビで観たCMの商品を買う、という消費行動自体をしなくなっている、そもそもテレビをあまり見なくなっているので、テレビのCMでものが売れるという感覚自体、幻影ではないかと思ってきたのですが、とうとうそのからくりも崩れるのかも知れません。

かといって、僕はネットの世界が万万歳だともおもってないのですがね。要するにソフトを作って、流す場所がテレビか、ネットか、ということの比較はあまり意味がなくて、本気で気にしなきゃいけないのは、テレビとか、アンテナとかを作っている家電業界の各部署の方でしょう。面白いコンテンツができたら、どこで流そうとそれは人気が出るでしょうからね。

ちょっと民放に勤めている知り合いに聞いたら、民放のテレビ番組、というのは、別にどうでもいいのだそうです。言うことが極端ですが、ようするに民放というテレビ局は、CMを流すのが一義的な目的であって、ドラマとか、バラエティーとかの番組は、言ってみれば「次のCMまでのつなぎ」でしかないのだそうです。もちろん、ずいぶん手間ひまかけた「つなぎ」ではありますが。

何年か前まで、スカイポート、というアナログCSもあり、あれは通信衛星だったからテレビではない、とか言われていたのですが、まあ、見る側にとっては、そんなことはどうでもいいですからね。四角い画面を眺めることにかわりはなし、あんまり難しく考えても無意味な気がしてきました。