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職場になぜかときどき映画の試写会の招待券が贈られてきたりして、仕事の都合でいったことはないのだけれども、気になる映画というのはあるもので、これはそういう映画がたまたまオールナイトでやっていることがわかったので、見に行ったという1本。

ドミノといってもピザではなく、サイコロが札に描いてあるげーむでもなく、オンナのコの名前。こういう名前を付けるのがどのくらい一般的なのかわからないですが、ファッツ・ドミノというR&B歌手がいましたな。先日のカトリーナで被害をこうむって、一時は行方不明だったらしいですが。

それはともかく、このドミノという主人公、実在の人物で、イギリスの俳優さんを父に、母親をモデルにもち、裕福な家庭に育つけれども、父親の死をきっかけにいろいろとやさぐれて、バウンティハンター(賞金稼ぎ)という職業についた、という人。映画の公開直前の今年6月に自宅のお風呂場で亡くなって、謎の死とかいわれてましたが、さて。

監督はトニー・スコット。この人の映画見たことなかったですが、リドリー・スコットの弟ですな。「トップガン」が有名ですが、それ以外にはあまり聞いたことがありません。冒頭からやたら気合いの入った複雑な編集をしていて、なんだか目まぐるしいな、というのが正直な感想。この序盤でいやになりそうになったのですが、我慢して見続けます。取調官が「キル・ビル」でも大活躍のルーシー・リュー。彼女の取り調べが、映画全編を通じての現在の時間軸となります。

ドミノの賞金稼ぎとしてのなれそめから始まって、仲間のエド(ミッキー・ロークが「シン・シティ」に続いておいしい役どころ)、それからもう名前を忘れかけられているチョコと出会い、ぐんぐん有名になっていくところが描かれます。といっても、度胸があるのと、なぜか幼い頃からぬんちゃくとかナイフとか物騒なものの扱いに慣れていた、という設定でそのへんすでに「おいおい」というカンジではあるのですが。

実際の賞金稼ぎというのは、それほど派手な撃ち合いをやるような仕事ではなく、人捜しのテクニックがほとんどらしいですけどね。現実の私立探偵みたいなもんでしょうか。デ・ニーロの「ミッドナイト・ラン」では、よりリアルな世界が描かれています。

この「ドミノ」では、何人か他にも見慣れた顔が出ていて、賞金稼ぎとして頭角を現したドミノを取材しようとたくらむリアリティー番組のエキセントリックなプロデューサーとして、クリストファー・ウォーケンが出ています。がんばってるねぇと思って見ていたら、この人誰かに似ている、と思いつきました。昨年亡くなった、オーストリアの伝説的指揮者、カルロス・クライバーにずいぶん似てきたのです。本人に会えたら言ってあげたい。

で、筋は途中からどんどんトホホな方向に行ってしまい、最後はあり得ないような携帯電話の聞き違いからドミノがドジを踏んで修羅場に陥ります。で、結局いろんな脇役の勝手な暴走の結果で最後は派手な爆発があってでたくさん人が死ぬ展開。この辺は盛り上げとかないと終われないということでしょうか。

最後に本人が顔見せして終わっています。そんなに美人じゃないですが、短髪でさっぱりしたカンジの女性でした。ネットには25歳ごろの本人の写真が落ちていましたが、そんな美人というわけではなく、Everything But The Girl のボーカルの人みたいな感じ。ってどんな感じや。

おそらく、これは本人の伝記というよりは、本人の存在にインスパイアされた架空の物語なんでしょう。実際に起きた事件でこれほどバカバカしいことはないだろうし、保釈屋があんな簡単にお役所から情報を盗めるようではやっていけないでしょう。でも、まあいろんな人ががんばってたから、まあいいか。っておいそれで終わりかよ。