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先日オーシャンズ12を先に見てしまった行きがかり上、これは見ておかねば、と思ったのでDVDで見ました。

豪華スターの面々が、豪華な場所で豪華な犯罪を繰り広げる、というのが適度なバランスで達成されている、というのはなかなか楽しいものです。特に、最後のベネディクトとの電話での交信、金庫がもぬけの殻となっていた、というくだりでは、練習のために金庫を丸ごと再現していたことの意味が別な形でわかったり、どんでん返しをうまく使っていたと思います。

ただ、世界観的にはこの前にもう1作あるのでは?という気分にもさせるものがあるのは、次から次へと過去の因縁が飛び出してくる設定の使い方にあるのかもしれません。特にジュリア・ロバーツ演じるテスとアンディ・ガルシア演じるベネディクトと、オーシャンの関係にはやや緊張感が欠けていたかも知れません。一つにはジュリア・ロバーツが痩せすぎてちょっと貧相に見えるのと、ガルシアにもう一つすごみと貫録がない点、そして、なぜテスがオーシャンよりもベネディクトに魅力を感じているのかがよくわからない点です。ここが腑に落ちないと、最後のテスの改心もあんまり効いてこない、と思う残念なポイントでした。

適度なユーモアは随所にあっていいと思ったのですが、犯罪を企んだ本人がプロジェクト全体を危機に陥れる、という仕込みはどうなのだろう。マット・デイモンをしっかりさせるため、だますならまず味方から、というのはご都合主義の一歩手前の際どいトリックかも知れないな、と思いました。

実は1960年作「オーシャンと11人の仲間」のリメイクだったんですね。オーシャンズ12は完全なオリジナル続編だったんでしょうか。出来はどちらかというと「12」の方が上かも、と思ってしまうのは先に見たひいき目でしょうか。