実家に寄るともう夜遅いのに珍しく父親が起きていて、どうしたのかと思ったら、デジカメで撮った画像がパソコンで読み込めないのだといいます。で、ちょっと様子を見てみると、ありがちではあるのですが、USBのコネクターの接触がイマイチで、単純にカメラを認識していなかっただけでした。

それで、ひとまずは終了、と思いしばらくほっておくと、こんどは印刷がうまくいかないと言います。たしかに上質の写真画質の用紙にプリントされたものは、妙に赤茶けています。ウィンドウズマシンなのでプリンタのプロパティを見てみると、案の定、インクの残量が少なくなっているとのこと。それを教えると、自分でこれを取り換えたのだが、と言います。それを見るとどう考えても古いカートリッジ。もしかして使用済みをそのままとっておいたのかな、とか思ってよくよく調べてみると、どうも兄の入れ知恵らしく、リフィル用のインクボンベが各色そろっていて、これを詰め替えなければならないらしいのです。

まあ、環境資源のことを考えればそれもいいのですが、どうなってるのか分かりもしない年寄りにそういうものを買い与えておくのもなぁ、と思いつつ代わりに詰め替え作業をやり、インクをセットして、やっとちゃんと動くようになりました。

全部終わってから見ていた母親が、「こういうのって、もっと年寄りに分かるように、大きな字で書いてくれないのかねぇ」と言います。もっともな話です。今どきのパソコン、50代以上の人間には異様に使いこなせないものになっていると思いました。ものごとの考え方も、インターフェースも、文字サイズも。一昔前に「目に優しい朝日の文字」とうたって、朝日新聞が文字のサイズを大きめにしたことがありました。当時としては先陣を切った新しい動きでしたが、パソコンの世界ではそれよりもはるかに大胆な発想の転換が必要だと思います。

「プロパティ」「ウィザード」「ユーティリティ」、都合によっていくらでもとりようの変わる言葉、多すぎますよね。

まあ、でも久しぶりに親孝行しました。こちらの元手が一番かからなくて、しかも相手が助かる親孝行でしたが。