
俳優陣も今見るとなかなか素晴らしく、ゲイブリエル・バーンの渋い男ぶりにはほれぼれするし、ケビン・スペイシーはこれを出世作として「セブン」で大ブレイクする訳で、ほかにもケビン・ポラックなど、名わき役がキラ星のごとく。事件を追及する刑事役のチャズ・パルミンテリはマフィア映画の方が似合うような気がしますが、まあ及第点という感じでしょうか。先輩刑事役のダン・ヘダヤもしぶいっす。
麻薬の密売船を襲うために不本意ながらもチームを組まざるを得なくなった5人の男達の葛藤、というのが事件の大きな全容でしょうか。その事件は関係者の大量虐殺に終わるのですが、その中でわずかに生き残った男キントの証言だけを手がかりに、物語は進行していきます。途中で刑事はある人物がすべての背後で糸を引いていたのでは、と見当をつけていきますが…。
ラストの数分のシーンがとにかく秀逸です。刑事の頭の中でさまざまな言葉や手がかりがフラッシュバックして自分が天才的な仕掛けの中で玩ばれていたのだ、と悟る瞬間が、みごとな編集技術により達成されています。前半の5人の男が出会うところはやや情報が多すぎて面食らってしまうのですが、真ん中あたりを過ぎて、「カイザー・ソゼ」というキーワードが現れたあたりからはぐいぐいと引っ張られて、もうノンストップ。
まだ見ていない方には絶対お勧め。ただ、今はDVDが入手しづらいかも。アマゾンでは品切れでした。