作家のパトリシア・コーンウェルさんがちょっと前に出した本に対して、イギリスの研究者からの批判が強いらしく、コーンウェルさんは逆ギレして「反論するなら証拠をお出しなさい!」とおっしゃってるらしいですな。
この本は、「切り裂きジャック」という、ノン・フィクションで、19世紀のロンドンを恐怖に陥れた連続殺人犯の正体を印象派画家のウォルター・シッカートだと、名指ししたことで話題になったんですな。なんと、調査のために私費を7億円も投じたんだとかいう話です。
実際、これ読んでみたんですが、いろいろな現代の科学的調査方法を使って攻めているところが、スカーペッタの「検視官」シリーズをちょっと思わせますな。ただ、個人的にはちょっといただけないな、と思うところがあって、それは著者自身があまりにも確信をもって犯人を名指ししたいがために、ちょっと冷静さを書いているように見えるところですな。そりゃ、私費7億円がかかってると思えば下手は打てませんので、冷静に、と言っても無理なんかも知れませんが、文章の至る所に、犯人の心理を憶測で描いて、それを自分でけなしてるような表現が目立つんです。言ってみれば作家の自画自賛ですな。これがなければ、もう少し、共感の持てる本になったかも知れませんが。
作家なので、想像力が豊かなのはいいんですが、ノン・フィクションでは、あえてそういう部分を抑えても、事実を積み上げて冷静に論を勧めた方が良かったかも知れませんな。作家は作家であって、裁判官ではないので。
この本は、「切り裂きジャック」という、ノン・フィクションで、19世紀のロンドンを恐怖に陥れた連続殺人犯の正体を印象派画家のウォルター・シッカートだと、名指ししたことで話題になったんですな。なんと、調査のために私費を7億円も投じたんだとかいう話です。
実際、これ読んでみたんですが、いろいろな現代の科学的調査方法を使って攻めているところが、スカーペッタの「検視官」シリーズをちょっと思わせますな。ただ、個人的にはちょっといただけないな、と思うところがあって、それは著者自身があまりにも確信をもって犯人を名指ししたいがために、ちょっと冷静さを書いているように見えるところですな。そりゃ、私費7億円がかかってると思えば下手は打てませんので、冷静に、と言っても無理なんかも知れませんが、文章の至る所に、犯人の心理を憶測で描いて、それを自分でけなしてるような表現が目立つんです。言ってみれば作家の自画自賛ですな。これがなければ、もう少し、共感の持てる本になったかも知れませんが。
作家なので、想像力が豊かなのはいいんですが、ノン・フィクションでは、あえてそういう部分を抑えても、事実を積み上げて冷静に論を勧めた方が良かったかも知れませんな。作家は作家であって、裁判官ではないので。