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またまた古いLDを引っ張り出してみました。くしくも「ランド・オブ・ザ・デッド」にも出演の怪優デニス・ホッパーつながりとなったわけですな。帯には「カルトアクションの帝王デニス・ホッパーが挑むSFハードボイルド・アクション」と銘打ってあります。「SF」と「ハードボイルド」までは認められても、「アクション」とは言えないのでは、と思いますがね。

実は原作は「ラブクラフト」というのがあって、この作品はそのパート2のテレビ映画らしいですな。でも「1」の方は見てませんので、その点はご容赦を。

ハリウッドで魔法がいろいろと使えるようになった、この世とはパラレルワールドみたいな世界での出来事で、魔法が使える世界での殺人事件が起こるわけですな。これを見ると、ちょっと最近の日本ではやりの「世界設定の条件付きミステリー」を連想しますな。山口雅也の「キッド・ピストルズ」「生ける屍の死」や西澤保彦の「超問研」シリーズなどがその好例ですが。

で、デニス・ホッパーは私立探偵で、有名な女優さんから浮気調査を頼まれて調べているうちに、その調査相手が殺されたり、どうやら魔術が使われていた、と分かったり、で背後にある陰謀が次第に明らかに…って言う感じではあるのですが。ライバルっぽい魔術師にジュリアン・サンズが出てたり、ペネロープ・アン・ミラーがまるっきりすっぴんの田舎娘になっちゃったり(これはこれで美しい)、いろいろと見どころはある作品ですな。

原題はWITCH HUNT(魔女狩り)で、その通り物語後半の焦点は魔女裁判に。ここで悪役エリック・ボゴシアンのいやらしい名演説シーンも聴けます。

ただ、トータルではこれはコメディというかライトタッチのミステリーを目指しているようで、厳密な意味での謎解きは全くなくて、最初から怪しいと思ったヤツが最後の黒幕だったりするのでそういう知的推理ゲームを求める人は裏切られるかも。ノリはなんか「ナポレオン・ソロ」に近いんですよ。なんか気取った会話を交わしながら、すぐに後ろから殴られて気絶しちゃう、みたいな。そういえばデニス・ホッパーってロバート・ヴォーンに似てるかも。

で、もちろん最後は事件が解決するんですが、そのあとにデニス・ホッパーとジュリアン・サンズの決戦シーンもおまけでついてたりするんですが、トータルで言うと、話はわけわかりませんな。でもところどころにちょっと合成の面白い効果が使われてたり、デニス・ホッパーの演技だけでくすくす出来ちゃったり、奇妙な味わいはありますな。ちなみに音楽は「ツイン・ピークス」のアンジェロ・バダラメンティが書き下ろしてます。