
帯には「第1作執筆から完結まで7年!」とありますな。ビッグコミックで不定期連載だったのが一時中断し、最終話が掲載されたのは今年の1月。
…。それってただの遅筆?
それはともかく、内容は普段の島本マンガと違うのは、主人公が中年であること。だがその生き方は熱い。熱すぎる。たかが卓球、されど卓球。1話目が温泉卓球の話だったので、シリーズ全部温泉卓球で通すのかと思ったら、そうではなかった。会社の盛衰を卓球にかけ、自らの生き方をすべて卓球で決めてきた、奇跡のような男の生き様がそこにある。
長い連載物はちょっと疲れそう、と言う人には絶好の島本和彦入門編かも。ただし、最後についている読みきり「バンゲームナイト」だけはオチのつけ方含め、やや精彩を欠いている。
いや、別に好きな人が読めばいいんですけどね。でも島本和彦のよさは、ここでも十全に発揮されているようですな。