ニュースの記事で、中田英寿の移籍がイギリスで話題になっていない、ということを話題にしている。

中田本人がこれをどう思うかは別問題として、騒ぐようなことでもない、というのが個人的な印象だ。一つに、中田がクラブチームの選手としてここしばらく実績を上げていない、1流半の選手であるということ、そして、移籍先もボルトンという、パッとしない一流半のチームであること。ごく客観的に見ればこれは一種の「都落ち」なのだ。それをボルトンというチームがあまり知られていないことをいいことに超ビッグチームであるかのように印象づけようとして話題作りに躍起になっているから肩透かしを食ったりするのだ。報道したければ、日本のメディアが報道すれば済むことではないか。

逆に、こういう環境が中田をサッカーに専念させるいいチャンスだと思っている。中田はそんな派手な選手ではない。飛び抜けたスピードもないし、一瞬にしてディフェンスを置き去りにするドリブルもない。司令塔などとえらそうな名前をつけて持ち上げるからみんな勘違いするが、中盤というのは動いてなんぼの世界だ。泥にまみれて体を張って、チームに献身的なプレーをして初めて、チームの信頼は得られるのだ。2流のチームをたたき上げて持ち上げてこそ、彼の真価は評価されるのだと思う。