毎年この季節になると聞く言葉が「帰省ラッシュ」である。乗車率が何パーセントだ、渋滞が何十Kmつながっている、そんな話題ばかりだ。最初から分かり切っていたことだろうに。なんで日本中の国民が同じ時期に大移動しなければならないのだろうか。大人はまだいいが、問題は子供だ。こういう時にはしょうがない、で納得するのは大人である。ひとところにじっとしていられない、待つのがいやなのが子供という人種だ。当然泣きわめく。機嫌が悪くなる。子供の面倒をみる大人も機嫌が悪くなる。だんだん「宇宙戦争」のトム・クルーズの気持ちになってくる。これはよくない。なんとかしよう。

最初からこういうピークを想定して交通網を設計したら、当然平常時にはスカスカになる。それで維持するコストの負担に文句を言わねばそれはそれで住みよい社会だろう。だが、日本の国土の広さと鉄道の維持費などを考えるとちょっと難しそうだ。ではどうするか。名案を思いついた。

日本全国「時差お盆」である。旧盆で1ヶ月ずらすことがあるように、日本全国、地域によってお盆の月を分けて年間を通じて均等化すればよろしい。地域で集中するのが良くなければ、たとえば各地方で一番北の県は2月15日がお盆、2番目の県は3月15日がお盆、と決めてしまえばよいのだ。もともと終戦の日とお盆が重なっていることでいろいろと紛らわしい思いをする人もいるだろうし、いっそどうだ。