橋本元首相が引退するそうだ。ヤミ献金疑惑がらみで苦戦が予想されたから、危ない橋は渡るまいという判断なのだろう。動機がその程度だからそれはそれ。好きにするがよかろう。だが人をなめた話だと思ったのはその次だ。

自民党の岡山県連は岡山4区の代わりの立候補者に橋本元首相の夫人を立てたいのだという。

ここで男女同権の話をしようとは思わない。女性だから、○○夫人だから、政治家の仕事が務まらない、などとは口が裂けても言うまい。

だがあえて問う。本当に、そんなものか。国民を代表するということは。

タダでさえ二世議員の多さには辟易するような世の中である。当の橋本元首相も二世議員だ。そして、今選挙の争点とされているのは郵政民営化の改革路線である。郵便局長が世襲されるような、封建的な因習を打破しようというのが党是ではないのか。それを行おうとする国民の代表が、家庭内で鉢のたらい回しをしていて、果たしてこれを恥としないのか。また、これを当選させてしまったら選挙民も同罪だろう。

まず隗より始めよ、とはまさにこういうときに使う言葉だろう。いっそ政治家も国家試験制度で選別するか。