中田英寿がとうとうイングランドに行くらしい。ボルトン・ワンダラーズという、古豪ではあるが最近ぱっとしないチームである。二部リーグとプレミアとを行ったり来りしている、それこそ微妙なチームだという印象だが、さて活躍できるだろうか。

イタリア時代を総括するならば、ペルージャ時代ほどの成果をビッグクラブでは上げられなかった苦闘の時期ではなかろうか。本人の意向はペルージャ残留だったのに、広告料目当てに売買されたのは本人にとっても不幸だったと思うが、その後のチームでの不振は多少本人の頑固さと、周囲の理解のなさ両方に原因があったように思う。本人の希望のポジションでなくとも、そこで結果が出ればいくら監督でも認めざるを得まい。チームメイトからの信頼が厚ければ、多少の戦術論の違いがあっても理解につながる。本人の思うところが実際の試合において十分に表現されたとはいえない時期がちょっと長すぎたように思う。サッカー選手の寿命はそう長くはない。移籍金が跳ね上がったおかげでチームを出るのが遅くなったことが、今後の活躍にどう影響するか、若干心配している。

救いはボルトンがB級のチームであることである。若手とのコミュニケーションをキチンととれば、彼の王国が築けるかも知れない。