仕事がら、子供の書き込む掲示板を編集している。

目的がハッキリある掲示板で、意見や感想を書き込んでほしいと注意書きがしてあるのだが、どうしても「友だち募集」の書き込みが増えてしまい、掲載を控えるケースもある。こういう時の線引きというのは難しいものだ。子供というのはどうしても自分の書き込みが広く大勢の人に見られる、という感覚がないらしく、特定の人に対して語りかけて、それに対して返事がこないとつむじを曲げるものらしい。

よく考えると、自分がメールを打った時に返事が来ないとちょっと物足りないのに近い感覚かもしれない。だが、ことは掲示板である。その書き込みをする中で、特定の相手だけを「友だち」と認定して、他の人を除外したい、というのは掲示板の意味そのものの否定につながるのだが、そういう感覚はどうも子供の中にはごく自然に発生するものらしいのだ。その現れが学校のクラスなどでの「仲良しグループ」なのだろう。

ひところ、これを放置して「友だち募集」何でもありで運営した時期もあるのだが、これはこれで問題になった。レスや返事をつけてもらえない子供がむくれて逆ギレするのである。レスがつかないのは無視された、と受け取るらしい。掲示板なんてしょせん匿名の書き流しだ、というのはまだまだ大人の世界の割り切りなのだな。