いろいろとばかばかしいニュースがあったが、なんといっても一番おかしかったのは、二子山部屋の話である。貴乃花親方が、いままでは部屋で弟子とは一緒に住まずに「通い」だったのが、部屋に住むことになった、というのだ。

相撲の世界で何が当たり前か、などと言うことは知らない。それぞれが自分の信じる方法で結果を出せばいい。人に言われて、「すいません」と頭を下げて部屋に寝泊りするようになるなら、今までの自分のやり方は部屋をおろそかにしてきた、と認めたことになるが、それでいいのか親方。

また、伝聞ではあるがのけぞったのは、親方が今まで弟子たちと同居しなかった(できなかった?)理由のほうである。妻が「力士のそばに住むのは子供の教育によくない」と言って親方と一緒に二子山部屋に住むことを拒否したからだと言うのだ。

考えてみてほしい。どこの世界に、自分の夫の仕事を子供に対して恥じて見せたがらない母親がいるというのだろう。その夫のどこに惚れて一緒になれるというのだろう。また、それを面と向かって言われて「はい、そうですか」と言いなりになる父親が親方である。恥ずかしいのは部屋で日々稽古に励んできた弟子たちの方ではないのか。

気の毒だがこんな両親に育てられたら件の長男もろくな大人にはなるまい。せめて本人がしっかりしていることを望むのみである。